ヴィパッサナー瞑想のすすめ『ブッダの瞑想法』
インサイトCDを使っているんだけど瞑想がよく分からない・・・という方のために
既にインサイトCDをご購入された方や瞑想目的でCDを買われる予定の方から、
次のようなお声をよく頂くようになりました。
・CDは毎日聴いている(もしくは聴くつもりだ)けれど、
瞑想らしい瞑想の仕方がよく分からない・・・
・インサイトCDを聴くと潜在意識が浄化される、潜在能力が開発される、
というけれどどういう仕組みになっているの?
・インサイトCDをただ聴いているだけだと、漠然としているから、
効くのかどうか分からないし、飽きてきて続けられない・・・
・ただインサイトCDを聴くだけじゃなくて、何か組み合わせて、
もっと積極的に潜在意識を浄化したり、直観力を磨いたり、
頭を良くする(=脳力開発する)方法はないのか?
また別のタイプの方のお声もよく頂きます。
・瞑想のおかげで成功した、幸せになった、という人を聞いたことがない・・・
・瞑想なんて結局、気休めかなあ・・・
・瞑想なんて現実逃避って言われたら、そうかもしれない・・・
確かに、瞑想状態を日常生活に活かしきれるくらいのレベルにまで
高めるのは大変です。
ある統計によると、本来の瞑想の効果を得られるまでのレベルに
至る人は、瞑想を実践する人のうちの1%以下とも言われています。
確かにインサイトCDを聴くだけでも、
何年も修行した僧侶も驚くほどの瞑想状態に入れます。
インサイトCDを聴きながら瞑想する場合には、
ただ座って、自然に呼吸を深くしながら、思い浮かんでくる考えや感情を
流れる景色のように眺めて流していけばいいだけなので、
特別な瞑想技術を磨いていかなくても、根気よく続けてさえいけば、
必ず瞑想の効果は深まっていきます。
瞑想実践者の上位1%に限りなく入りやすくなるわけです。
しかし、瞑想の技術についてもっとご紹介して、
インサイトCDに組み合わせて実践することをお勧めする必要があるのではないか・・・
最近ご利用の皆さんから、インサイトCDにまつわるご感想や
ご質問を頂くたびに、そう感じるようになりました。
■■ヴィパッサナー瞑想のご紹介■■
そんないろんな方々のために、もう少し瞑想について丁寧にご紹介して、
瞑想の本当の威力を実感して頂かない事には、このサイトの趣旨も活かされません。
(このサイトの趣旨は、目標に向かって元気に頑張りたい人のために、
あなたの脳と心と身体をより状態にするお手伝いをすることです。)
そこで、瞑想の中でも特にオススメしたいヴィパッサナー瞑想をご紹介したいと思います。
ヴィパッサナー瞑想の方法は、極めて科学的・実証的なので、
よく分からないことを無理に信じさせるような(いわゆる危ない宗教的な)要素はありません。
また、正確に実習する限り危険要素もありません。
3泊とか10泊の合宿形式で行う瞑想もありますが、
日々の暮らしの何気ない動作の中でも行うことができるのがヴィパッサーナー瞑想の特徴です。
できれば1日に10分でも30分でも静かに瞑想する時間があるといいのですが、
基本的に生活スタイルを変える必要がありませんし
その効果も、現代生活を送る上で実に実用的なんです。
基本を理解して、地道に実践する心構えさえあれば、
インサイトCDの瞑想効果を更に深めていくことができますし、
日常生活の一瞬一瞬を輝く悟りの瞬間へと変えていけるようになる瞑想法です。
■■ヴィパッサナー瞑想の原理■■
ヴィパッサナー瞑想では心をありのままに観察し、清らかにしていきます。
なぜそうするかと言えば、心が変わらなければ、人生は何も変わらず、
苦しみから解放されることもできないからです。
修行と言えば修行なのですが、そのほとんどは「自分のこころの観察」です。
ヴィパッサナーとはパーリ語(古代インドの言葉)で、
「詳しく観察する」「様々なモードでよく観る」との意味なんです。
私たちの人生が苦しいものになってしまうのは、
事実をありのままに見ないで、
思い込みや自己中心的な妄想で編集した世界を心の中に作り出し、
それに対して嫌悪や不安、欲望、執着などの反応を起こすからだ。
と原始仏教では考えています。
例えば仕事がはかどらない、人間関係がスムーズにいかない、
ストレスまみれになっている、ダイエットに成功しない、頭が悪い、成績が悪い、
直観が働かない、考えがまとまらない、運が悪い・・・
これらの日常的なストレス体験の原因はどこにあるのか?
ありのままの有様をいい加減に眺めて知らないままでいる「無明」や、
事実をありのままに見ないで思い込みで判断してしまう「妄想」が
苦しみに満ちた世界を、作り出すと仏教では考えているわけです。
「妄想なんて、なんかひどい言い方だなあ」
「運が悪い、頭が悪い、っていうのも妄想のせいだって言うのか?なんかムチャクチャだな」
「そんな人を責めるような言い方はしないでほしいなあ」
そう言いたくなる人もいるでしょうね。
まあ、そう怒らずにじっくりこの先を読んでみてください。
このヴィパッサナー瞑想を実践すると、
「妄想=ものごとをありのままに見ないこと」が
どれ程自分のパフォーマンスや幸福度の妨害になっているかがよく分かってきます。
お釈迦様もこの瞑想で悟られたぐらいですから、威力があります。
一瞬一瞬のありのままの事実に気づくことによって、
諸悪の根源である妄想の世界を捨てていくのがヴィパッサナー瞑想です。
妄想を離れ、こころの色眼鏡をはずして、
裸眼の観察で物事の本質を洞察していくことが
心を清らかにしていく道であり、幸せなよい人生につながっていくのです。
心が変わるとは、
・情報処理の仕方や解釈の仕方が変わる
・意思決定のプロセスが変わる
・定番となっている反応パターンが根底から組み変わる
ということです。
■■ヴィパッサナー瞑想の効果■■
ヴィパッサナー瞑想には次のような現実的な効果があります。
脳力開発系
・頭の回転が早くなる
・集中力がつく
・記憶力がよくなる
・分析力が磨かれる
・決断力がつく
・創造性が開発される
経験事象の変化系
・現象の流れがよくなる
・トラブルが解消する
・人に優しくされる
・健康になる
心の変化系
・苦を感じなくなる
・怒らなくなる
・不安がなくなる(根本的に解決する)
・執着しなくなる(静かに達観する)
などなど、
インサイトCDやフォーカスCDで得られる効果と重なっていますよね?
CDを聴きながら、ヴィパッサナー瞑想を続けると、
相乗効果で能力開発や潜在意識とのつながりの質・スピードが上がりますし、
変化が起きる原理と実践方法が理解できますので、
主体的に瞑想に取り組んでいくことができるようになると思います。
ただCDを聴くだけで不満足だった方にもお勧めしたい瞑想法です。
■■一生大切にできる座右の書■■
では、ヴィパッサナー瞑想はどのように行うのでしょうか?
また、これらの効果はどのような仕組みで現れるのでしょうか?
インサイトCDの解説の中では詳細に語ることができなかった
この瞑想の秘密部分が、明快に論理的に書かれている本があります。
ヴィパッサナー瞑想は、「ありがたい功徳」が棚からぼた餅式に落ちてくるのを待つことを
勧めるような、迷信的な方法ではありません。
以下、この『ブッダの瞑想法』を一部引用して
簡単にヴィパッサーナー瞑想の実践法と効果発現のメカニズムについて触れておきます。
しかし、本当に一部のみです。
さらに詳しい内容は、是非とも本書を手にとって、
座右の書として何度も読んで理解を深めながら、継続して実践していただきたいと思います。
一生の間に何度も読み返す価値のある、数少ない本の一冊となることでしょう。
以下『ブッダの瞑想法』から一部抜粋
■■ヴィパッサナー瞑想の実践方法■■
--歩く瞑想--
ヴィパッサナー瞑想ではまず身体の動きに気づくことから始めます。
心の現象よりも身体の動きの方が簡単に気づけるからです。
一歩一歩歩くたびに実感される身体の感覚に集中して、
次々に変化していくそのプロセスを厳密に観察していけば、
明晰な現実感覚を失わずに思考が止まった状態を確認できるようになっていきます。
思考によって歪められない知覚のままの状態で捉えらるようになることが、
ヴィパッサナー瞑想においては重要です。
--ラベリング(言葉確認)--
今経験している出来事を一瞬一瞬気づいて確認し、
その気づきを言語化していく「ラベリング」をとにかく続けていきます。
これがヴィパッサーナー瞑想の柱となるプロセスです。
上記二つが、初心者がヴィパッサナー瞑想を始める際の入り口となります。
ヴィパッサーナー瞑想は「観察の瞑想」「気づきの瞑想」とも呼ばれています。
身体を感じて、それを逐一言語化していくことで、
「気づき→観察→洞察」というプロセスを経て進んでいくわけです。
その他座る瞑想や、心を観察する瞑想もあります。
またその実践に即した数多くのコツやポイントがありますが、
詳細は本書をご覧いただいたほうが分かりやすいと思いますから、
ここではあえて省略した解説とさせていただきます。
さらに興味のある方は末尾に記載した著者の瞑想合宿などに参加して
実践されることをお勧めします。
■■ヴィパッサーナー瞑想の効果の科学的説明■■
--直観力--
ヴィパッサナー瞑想には直観力を高め、頭を良くしてくれる素晴らしい効用があります。
カンが鈍く、直感が冴えない原因は、心が混乱しているからです。
そこで頭の中で暴れまわっていた概念の嵐がシーンと鎮まった状態を来る日も来る日も続けていくと、
なぜか右脳のイメージタンク全体に再配置が起きるようになります。
貯えられた情報がきっちりと、自在に配列されて整っている。
無心の状態に近いので、外界から飛び込んでくる近く情報に対して
最適のデータが自動的に即応し、カンが冴え渡ってきます。
いわゆる直観力が高められるのです。
--集中力--
心というのは散乱するのが基本傾向なので、
自然放置すれば取りとめもない散漫な妄想や連想に流されていきます。
散乱する心を力技でねじ伏せて一点集中していく瞑想法もありますが、
ヴィパッサーナー瞑想では、ラベリング(言葉確認)してそのときの状態を自覚していきます。
ヴィパッサナー瞑想では、
常に自分の心と身体の状態に気づいていくので、当然自己理解が深まり、
集中を妨げている心の妨害要素を取り除くことができます。
なぜ集中できないのかその原因案で究明できるので、
ヴィパッサナー瞑想は集中力を高めるための、より根本的な方法と言えるでしょう。
--記憶力--
瞑想によって集中力が高められると、記憶力は格段によくなります。
ヴィパッサーナー瞑想による記憶力の向上のポイントは3つあります。
1)集中力
現在の瞬間に徹底して集中する基本技術は、記憶力を確実に増大させます。
2)ダブルクリック効果(2度打ち効果)
ヴィパッサナー瞑想では一瞬一瞬知覚するものを言葉確認(ラベリング)
していくので、印象が続けざまに2度記憶に叩き込まれます。
3)認識確定効果
ヴィパッサナー瞑想は思い込みや先入観を排除して、
ありのままの事実に気づく瞑想です。
当然の結果として知覚が正確になり、記憶の質が高められます。
--分析力--
ものごとを構成している要素や因果関係がつかんで、
ことの成り立ちや筋道をハッキリ見るプロセスのことを分析力と言います。
ヴィパッサナー瞑想はものごとを分析的に見ていく特訓であり、
その結果、自動的に頭が良くなる、という効用が期待できます。
この分析力を鍛えることが、頭の良さや妄想にとらわれない幸せな生き方につながります。
事実と妄想を識別しないと、欲望や嫌悪などの煩悩が暴れだして、
人生を苦しいものにしてしまいます。
認知のプロセスに沿って分析に敵に気づく修練を積んでいくと、
心の動きや心理的な現象も分析的に捉えられるようになり、
自己理解を深めていくこともできます。
--決断力--
正しい判断が下される時にに不可欠なのは、正確な現状認識と正しい判断基準です。
まず現状を正しく把握しなければ判断の下しようがありません。
たとえ正しく捉えることができても、それに対応する判断基準がデタラメだったなら、
おろかな決断を下すことになるでしょう。
この2点を養うことができる瞑想システムがヴィパッサナー瞑想です。
--創造性--
創造性は、集中力、記憶力、想像力、直観力など、
諸々の能力が動員される総合力ですから、
数ある能力の中でもっとも高度な頭のよさが要求されます。
創造性を妨げるものは、固定観念です。
既存の発想やものの見方に固執していると新しいアイディアは創出されません。
リラックスした深い安らぎの中で、
必要な瞬間にいつでも頭が鋭敏に働く意識状態に導くのが
ヴィパッサナー瞑想であり、同時に創造力が働く最高の状態でもあります。
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更に詳しい実践方法と解説は本書をどうぞ。持っていて絶対損のない本です。
ブッダの瞑想法―ヴィパッサナー瞑想の理論と実践
著者の地橋氏はヴィパッサーナー瞑想の宿泊研修などもされています。
ご興味のある方はグリーンヒル瞑想研究所を覗いてみてはいかかでしょうか。
また、グーグルでヴィパッサナー瞑想を検索すると、
他の団体やヴィパッサナー瞑想合宿参加者の体験談などのページが出てきますので、
参考になると思いますよ。
2006年09月08日 22:23