ビジネスの最前線でインサイトCDの瞑想を活かしているIさんの質問
とある有名なネット起業家の方からインサイトCDに関する興味深い質問を頂きました。
レベルが高く大変興味深いやり取りとなりましたので、皆さんにもご紹介したいと思います。
まずはIさんからのメールの引用です。
> インサイトCDの使い方について、ふと今朝疑問に思ったことが
> あり、アドバイスを頂けたらと思いメールさせて頂いています。
>
> インサイトCDを聴いていると、色々なアイデアが思い浮かびます。
>
> 今朝も、仕事関連のことでちょっとしたことなのですが
> 幾つか浮かんできました。
>
> 何かのタイミングで突然、浮かんでくるのですが、それが一度
> 始まると、次から次へと浮かんできて止まりません。
>
> いつの間にか、頭もフル回転で思考モードになっていて
> それに気がついたとき、慌てて元の『頭がからっぽの状態』に
> 戻ることを繰り返しています。
>
> 振り返ってみると、インサイトCDを聴いているときは
> 発想や考えを一番まとめやすい状態になるのですが、
> こういうのって、どうなのでしょう?
>
> 瞑想の効果もなくなるような気が・・・
>
> ちなみにフォーカスのEnvisionを聴いているときとは
> 比べ物にならないくらい創造的になれますし、とても
> 楽しく思考できます。
>
> (哲学的な要素と経営的な要素を一緒にして
> 物事を考えられるという感じで気持ちいいです。)
>
>
> こんなふうに思考のために使うということはアリなのでしょうか?
※以下、わたなべからの返信に加筆修正したものを転載します。
非常に興味深い経験をされていらっしゃるようですね。
実は同じような経験をされる方は多いので、
以前のサポートメールに、その現象の捉え方を書いておいたことがあります。
サポートメール22号
しかし、Iさんの経験はまた一味違う印象があるので、新たにコメントを書きますね。
まず素晴らしいな、と思うのは、
> いつの間にか、頭もフル回転で思考モードになっていて
> それに気がついたとき、慌てて元の『頭がからっぽの状態』に
> 戻ることを繰り返しています。
という部分です。
気づいている、というところが素晴らしいところです。
自分がいつの間にかしていることに気がついて、
進路変更(マネジメント、コントロール)できるということは、瞑想の目的の中で重要な要素ですし、
日常生活や仕事においても重要な基礎技能ですよね。
それができている、ということは「意識的に何に意識を集中するか」
ということがセルフコントロールできる、ということですよね。
瞑想の目的の一つを立派に果たされていると思います。
きっと日常生活でも仕事でもIさんはこの技能を自然に使っておられるのではないでしょうか?
> 戻ることを繰り返しています。
ということも、きわめて順調な瞑想をされている証拠です。
飛行機も航路から外れて飛んでいる時間が90数%なのだそうです。
ではどうして目的地に着くかといえば、フィードバックシステムがあって、右にずれたら左に戻し、
左にずれたら右に戻す、ということをひたすら繰り返しているからだそうです。
気づくたびに戻ることを繰り返すのは、非常に自然で効果的なプロセスです。
■無心にこだわりすぎる必要はない
また別の側面を言えば、普通の瞑想と違って
インサイトCDの場合、「無心」にこだわりすぎる必要はありません。
無心になる、というのは瞑想の修行をする人なら【目的】にしてもいいのですが、
せっかくいいアイディアが思い浮かんでいるのに、それを【よくないこと】、
と捉えるのは非常にもったいないので、どんどん受け入れて喜んでOKです。
インサイトCDは道具ですし、無心になるというのも、心を活かすための方法の一つです。
つまり、インサイトCDを聴くこと自体が目的ではないし、
無心になること自体も目的ではなくて、手段・方法・過程の一つに過ぎなくて、
日常生活で本来の自分が生き生きと活かせるようになる、という目的に
貢献していれば、それでいいわけです。
無心の時と、活動的にインスピレーションが湧いている時の両方がある、
というのが生きている証拠ですし、きわめて自然なことです。
インサイトCDを聴き続けると意識と無意識とのつながりが太くなります。
ということは、無意識にあるものが出てくるんです。
潜在意識に余計なものが詰まっている人の場合、まずその余計なものが雑念として湧いてきます。
しかし、それも必要で意味のある浄化のプロセスなので眺め流していきます。
人によっては必要に応じて、EFTでネガティブな感情を浄化したり、
カウンセリングやヒーリングを受けることも有効な場合があります。
他にできることとしては、Iさんのように、無心に戻るよう意識するのもいいですし、
呼吸や数字を数えることに意識を戻す、自律訓練法をするなども有効です。
そうしているうちに、
望んでいることだけを潜在意識に送ることが【楽に】できるようになり始めます。
そして
その状態がある程度【飽和】されてくると、潜在意識から回答がやってきます。
それを瞑想中や夢見時や、ふとした瞬間に受け取ることも増え始めます。
Iさんのように、潜在意識に余計なものが詰まっていない人の場合、
すでにその状態になっているので、さらに創造的なものが湧いてきます。
それは喜んで受け取ってください♪
Iさんの場合、インサイトCDを聴いている時に
潜在意識が有用なメッセージを送ってくれているわけです。
Iさんが常日頃一番望んでいるギフトが、今まさに届いているんですから、
> こんなふうに思考のために使うということはアリなのでしょうか?
これは大アリなんです♪
しかもこれは思考のようで、思考でない【高度の情報処理】ですね。
潜在意識からの情報(右脳的情報)と、顕在意識世界での落とし込み方法(左脳的情報)とが
超高速マスゲームのように脳内でダンスを踊っていたのだと思います。
おそらく通常の思考で発生するベータ波よりも
高周波のガンマ波がたくさん出ていたでしょうね。
> (哲学的な要素と経営的な要素を一緒にして
> 物事を考えられるという感じで気持ちいいです。)
この感じでいいアイディアがいくつも浮かんで止まらない、というのは
典型的に右脳と左脳がシンクロしている時のパターンですので、
素晴らしい境地だと思いますよ。是非喜んで活用してください。
気持ちいいということは、脳内麻薬のエンドルフィンがどんどん出ていると思います。
ちなみにインサイトCDは瞑想用のデルタ波(深くて遅い)だけでなく、
ひらめきや高度な情報処理が行われているときに出るガンマ波(高速・高周波)も
バランスよく誘導してくれています。
思考がどんどん展開した瞬間というのは、Iさんはガンマ波に反応していた
タイミングだったのではないか、と推察できます。
色々湧いてくる最中に書き記したければ、インサイトCDを聴きながらメモをとってもよいと思いますが、
どうするかはその時のインスピレーションで決めてOKです。
必要と思えば書けばいいし、
書かなくても大丈夫と思えば、覚えておいて後から書いてもいいと思います。
僕の経験では、たとえ忘れてしまっても、いつの間にかその方向に進んでいることが多いので、
安心しておいてOKだと思います。
> 瞑想の効果もなくなるような気が・・・
瞑想を、【特定の静かな状態】と思わないほうがいいでしょう。
ではどう捉えるかというと、
瞑想はいろんな段階のある長期的なプロセス、と思ったほうがいいのです。
瞑想にはいくつもの段階があります。
今の自分に気づいていれば、どの段階にいても自然と次の段階に上っていきます。
その時に必要な経験が起こるだけです。
どの段階にいるかというのはそれほど重要ではありません。
瞑想をすること自体が、この段階を上ることを加速しますので。
そのいくつかの段階を書いてみますね。
1)自分の意識に起こることを全くコントロールできず、巻き込まれ、おぼれている
この状態が苦痛なので、そこから離れてコントロールできるようになりたい、
と思う人が瞑想を始めるのでしょうね。
悩みというのは、自分の意識をコントロールできない、ということに集約されますので。
この状態であることを悩んだり、自責の念に駆られる必要は全くありません。
自分が今この段階にいる、ということに気づくだけで、
不思議なことにその悪影響はほとんどなくなってしまうものです。
心配する必要は全くありません。
誰しもこの段階はあるものですし、数年前は僕自身がこの段階にどっぷりでした。
2)自分の意識に起こることを見ることはできるが、全く止められない
瞑想の最初期の段階で、ごく僅かに【観察者】の視点を持ち始めていますが、
まだ為すすべがない段階です。
この段階も、気づいてさえいれば悪影響はほとんどなくなりますので、心配は不要です。
3)自分の意識に起こることが始まってしまってから、後で気がついて止めることができる。
意識がやかましい時は、それを出しきりながら、
それに振り回されない【眺める自分】【観察する自分】を育てる時期です。
EFTなどの感情解放テクニックが特に効果的になってくる段階です。
4)自分の意識に起こることが始まる前に気づいて止めることができる
今回メールいただいたIさんの段階は、4以降のように思います。
5)自分の意識に何も起こらない
Iさんにはこの瞬間も増えているのでしょうし、意識的にこの状態に入ることもできるようなので
瞑想のレベルで言うと中上級レベルでしょう。
6)自分の意識に好きなことを好きなように描いていける
7)自分の経験を超えた超意識とつながって、自分の中に取り込んでいける
Iさんは、こういったことを経験する時間も長くなってきていると思います。
全体的にどの段階にいるか、ということもありますが、
ある特定のクセは止められるが、他の事は止められない、ということも起こりえます。
自分の中にあるいろんなクセに対して、この段階を上っていくことになります。
瞑想とは、かくもダイナミックな実践なんですね。
なので、無心であるべき、ということはないです。
その時に必要なことが起こっているので、起こっていることに判断を下さず、
「ああ、こういうことが自分の中で起こっているなあ」
という観察を続けていれば、自然といらないものは解けていきます。
なぜなら、意識的に役に立たないことを継続することは不可能だからです。
たとえば、紙に何か書こうと思って書いているとします。
そしてその紙を後で見たら何も書かれていなかった、という場面を想像してみてください。
何が起こっていたのでしょうか?
次に紙に何か書き始めた時に、次のようなことに気づくかもしれません。
「あ、ペンをさかさまに持っていた!」
自分が何をしているか分からないでいると、
自分がそうしているのにもかかわらず、思いもよらない結果を引き寄せることがあります。
しかし、一度ペンをさかさまに持っていることに気づいてしまうと、
それを意識的に続けることは不可能です。
なぜなら、単純に「紙にメモをする」という目的に役立たない行為ですからね。
瞑想は、こうしたことをあらゆることに対して行う行為とも言えます。
そしてインサイトCDはその【気づきのプロセス】を加速します。
意識の土台である全脳(右脳と左脳とその他)がバランスよく活性するからです。
しかし、既に目的が明確な時はまだしも、
現在のIさんのように、人生の新しいステージに入りつつある時というのは、
不確定要素ばかりになりますよね。
それでも瞑想を続けていると、余計ないらないものがそぎ落とされて、
必要なものを必要な時期に、必要な形に落としこめるようになっていくものです。
自然と個性が活かされていくようにできているようです。
理屈ではなく宇宙はどうもそうなっているようです。
特にIさんのように、着実に動いている方には・・・^^♪
逆に、特に行動を起こしていない人の場合は、
瞑想を続けていると、どんどん悩みが深まってしまうこともありえます。
そういう方の場合は、何でもいいので行動を起こしてみましょう。
自転車でもこがないでハンドルを切ってばかりいると、倒れてしまいます。
逆に大雑把でもいいから方向を決めて、ペダルをこいでいけば、風景が変わり、
自分が行きたい場所にいるのかどうかを、現実に沿ってチェックできます。
そういう行動のプロセスにいると、瞑想による気付きが意味を成してきます。
***
その他、【無心になる】ということについて補足したいと思います。
【無心になる】、というのは2つのレベルで捉える必要があります。
一つは、活動と休息、動と静の両極の片方としての無心(休息・静)です。
もう一つは、全ての根源としての無心、もしくは
活動と休息が起こる現場・土台としての常在不変の無心です。
常在不変の無心、というとかなり抽象的ですが、
分かりやすくいってしまえば、【観察している自分】のことです。
動いているジブンを見ている自分。
静かにしているジブンを見ている自分。
その両方を【観察している自分】は直接経験するより他ないのですが、
何となくお分かりになるのではないでしょうか。
瞑想で至ることのできる最高の境地は、
自分の内側、外側に起こることと、その関係性全てを観察するこのポジションです。
Iさんなら、この感覚は既にお持ちのことと思います。
さらにそれを浸透不偏化していくプロセスを加速するのがインサイトCDです。
ただ、インサイトCDは脳というハードウェアに働きかけるのがメインなので、
思考や感情などソフトウェアに働きかけるのであれば、
NLPが最高・最適な道具になる、というのが僕の現在のところの経験です。
さらに違う文脈でさらに幅広く、こちらにも書いていますが、
脳、こころ、人間関係、社会システムなど、いろんな側面からアプローチすることは重要ですね。
友人として応援しています。
一緒に頑張っていきましょう♪♪
わたなべ♪
2008年08月03日 22:26