幻覚や悪夢のような感じが出てくるのですが、どうしたらいいでしょうか。



有効な対処法があります。
怒り・無力感・罪悪感・悲しみなど、どんな感情にも応用できます。

 
 
あるユーザーさんからのご相談にお答えしたメールに加筆修正して転載いたします。

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○○様。

いつもありがとうございます。
わたなべです。


>  最近、インサイトで瞑想していると、さまざまなイメージというか、幻覚が見えてくるようになりま
> した。このイメージが自分にとって良いものならいいのですが、悪いものの場合、悪夢を見ているよう
> な感じで嫌になります。振り払おうとすると、瞑想状態からも抜け出てしまい、やり直さなければいけ
> ません。
>
>  渡邉様は、このような経験はおありでしょうか。どのように対処すれば良いのでしょうか。
>  このような幻覚については気にしない方がいいと本で読んだことがありますが、あまりにリアルに感
> じられる場合、なかなかそうもいきません。コツなどはあるのでしょうか。


インサイトを聴いている間に生じてくる想念は、私もよく経験があります。

個人差がありますから全く同じ経験ではないと思いますが・・・。

基本的にはいわゆる「浄化のプロセス」の途中だと思われますし、雑念が多くても脳は周波数に反応しています。

インサイトの解説PDFにも書いてあると思いますが、インサイトを聴きながらも雑念ばかりでいい瞑想ができなかったと思っていた、ある方の脳波をモニターしていたら、とても深いデルタ波が出ていた、というケースもあります。

ですから、頭の中が静かでなかったからといって(振り払えなかったといって)、必ずしも瞑想状態から抜けてしまっているとも言えないのです。


 「インサイトを聴きながら起こってくることは何であれ、起こるがままに任せる。」

それがインサイトを使った瞑想の一番の基本です。


とはいえ、幻覚・悪夢のような状態は苦痛が大きいでしょうね・・・

> あまりにリアルに感じられる場合、なかなかそうもいきません。
> コツなどはあるのでしょうか。

そうおしゃるのもよく分かります。


(念のため書いておきますが、インサイトCDを使った瞑想で、 幻覚や悪夢のような体験を全ての方がするわけではありません。)


有効な対処方法があります。


・まずそういった現象が強い現れない程度に聴く時間を短くしたり、間隔をあけるようにします。


リアルな幻覚のようなものは、潜在意識の深いところというか、生理的・神経的な部分が刺激されて、揺り動かされている証拠と考えられます。

嵐が過ぎれば、より良い状態で安定するようになります。


「進化の途中で揺り動かされて不安定になり、その後、より良い状態で安定する」というイメージを分りやすく理解するために、脳が進化していく様子を見ることはできるか?も参考になると思います。

脳がより高次な機能状態に変化している途中で一時的に不安定になっていると考えられます。

そういう状態を意識によってコントロールするのは相当難しいです。

そう考えて、無理をしないで生理・神経的側面から顕在意識への噴出(=幻覚・悪夢のようなもの)が多くならないようにして、ゆっくり変化させていくほうがよいでしょう。


この噴出はインサイトによる瞑想の効果ですし、インサイトによる瞑想ですと、その噴出があっても瞑想としての効果はあります。

これが通常の瞑想と違うところなので、そのまま何が起こってもそのままにして続けてもいいのですが、きつい場合は無理はなさらない方がいいでしょう。


またそうした現象の起こり始めの時期には特に、意識や瞑想技術(コツ)の問題として捉えるより、上記のように考えてペースを落とす方がかえって前進しますし近道です。

これは経験的に言えることです。焦らないことです。
 
  ・苦痛が薄らいできたら、観察している自分を意識していく。


苦痛の度合いが弱まってきたら、後は何が起こっていても、良い・悪いの判断をせずに観察し続ける(=起こるに任せる)のが基本になります。

ここでコツがあるとすれば、幻覚や悪夢のようなものを観察するというよりも、幻覚や悪夢のようなものに「反応している自分」のほうに気づきます。

反応している部分に実は観察している自分が隠されているからです。
(↑これが結構重要なコツです)


幻覚に完全に入り込んでしまっている場合、それが幻覚であるとは思いません。

悪夢に完全に入り込んでいる場合も、目が覚めてから初めてそれが悪夢であったと分ります。

つまり、○○さんのように幻覚・悪夢がある、と自覚できている場合は、それが自分の全てとなっているわけではなくて、それを現象として観察している自分が僅かであれ存在しているわけです。


そしてその僅かな部分が幻覚や悪夢のようなものに「勝手に反応して」、 苦しんだり悩んだりしているわけです。

この意味は少しでも伝わりますでしょうか?

もし「ああ!勝手に反応しているだけなんだ!」と気がついて、反応することを手放せたら、おめでとうございます。

幻覚や悪夢のようなものがあっても、静かにしていられる○○さんに脱皮しました。


もしそうでなかったら、まずは「どう勝手に反応しているのか」を観察します。

ここでもう一つコツがあるんですが、ただ観察するだけで、良い悪い、を判断しない、無理矢理に現象を変えようとしないことです。

起こるがままをそのままにしてOKとしておく、ということです。


○○さんは、幻覚・悪夢を感じながら、

  「このような幻覚については気にしない方がいいと本で読んだことがある」と考えている。
  「あまりにリアルに感じられる場合、なかなかそうもいきません。」と考えている。
  「何かコツでもあるのだろうか」と考えている。

  「このイメージが自分にとって良いものならいいのですが・・・」と考えている。
  「悪いものの場合、悪夢を見ているような感じで嫌になる・・・」と考えている。
  「振り払おうとすると、瞑想状態からも抜け出てしまう・・・」と考えている。
  「やり直さなければいけない・・・」と考えている・・・

・・・わけですよね。

そういう自分は、幻覚のようなものではありませんよね。

幻覚や悪夢のようなものを観察して対処しようとしている自分です。

「幻覚や悪夢のようなものを観察し自動的に(・・・上記のように)考えて反応している自分がいる」
ということに気づけるといいですね。

気づくことで、手放していけるようになれます。

気づくことで、選べるようになれます。

気づくことで、同じ現象を目の前にして、静かな部分が増えていきます。


更に詳しく見ていくと、


 1) 「幻覚・悪夢のような形をとる神経的な興奮」を感じている。

 2) その神経的興奮に対して上記「・・・」のような色んな心理的反応が自動的に沸いてきている。

 3) その自動的な心理的反応に巻き込まれてしまう、という反応を自動的にしている。

こういうことが見えてきます。


そして、こういうことに気づいて観察している自分はたとえ僅かであれ「静かな自分」として感じられます。

そして、瞑想は次のように続いていきます。


 4)神経的な興奮に対し心理的に反応している自分がいて、さらに、そういう自分に巻き込まれてしまっている自分に気がついている

 5)その気がついている自分が静かであることに気がついている

 6)静けさの中にとどまれるようになると、今という瞬間がものすごい勢いで過去に流れていって、同時に今という瞬間が、時々刻々と現れては消えていく、ということが感じられる


少なくとも、4)あたり(できれば5あたり)の静かな部分さえあれば、今ここで、幻覚や悪夢のようなものが渦巻いていても、動揺がなくなっていきます。

また、幻覚や悪夢のような状態も、夏の台風や冬の吹雪のようなものです。

一つの台風や吹雪が永久に同じ場所にとどまることはありません。

全ては過ぎ去っていきます。

気づきの段階のいちプロセス、いち風景に過ぎません。

通り過ぎていくものです。

後になれば、人生の彩りであることが分ります。


ただ最初のうちに幻覚・悪夢をやり過ごそうとしたり、直接観察しようとすると、無理が起こります。

なぜなら、まだ気づきのレベルが浅く、逆に神経生理的な噴出が強いですから、「幻覚や悪夢のようなものに自動的に反応する自分」と知らないうちに同化してしまうのです。

つまり、上記「・・・」のようなことを考える自分にはまり込んでしまいます。

「・・・」のようなことを考えている自分に気づけなくなるのです。


「幻覚や悪夢のようなものに自動的に反応する自分」になってしまっていることに気づく。


気づくことで、手放していけるようになれます。

気づくことで、選べるようになれます。

気づくことで、同じ現象を目の前にして、静かな部分が増えていきます。


仮に「気がついている自分」を見出せないほど余裕がない場合、罪悪感や無力感や怒りやイライラを選んでしまいがちです。(そうでない場合は、おめでとうございます。)

そういう場合には、そういった感覚を選んでいる自分に気がついていきます。

しかし最初の内は、

  「選んでなんかいないよ!だれが好きでそうするもんか!」

  「なぜか自動的にそうなるんだ!」

  「こういう状況なら普通だれでも感じるよ!」

と言いたくなるかも知れません。(もしそうでなければ、おめでとうございます)


しかし実は「選んで」そうしているのです。

無意識の内に自動的に選んでいるから、コントロールできなくなっているだけなのです。

無意識の内に反応の仕方を選んでしまっている状態は、とても縛られている状態です。

自分で自分を縛っているのです。

本来、すべてのことは通り過ぎていくのだから、全部受け取って、手放していけばよいのに、「こんなことは感じたくない」と自分で決めて、自分でそこにとどまっているのです。
(もしそうでなければ、おめでとうございます)

無意識の内に苦しみの道を選んでしまっていることに気がつくと、すんなり手放すことができるようになります。

気づき=開放です。

自由になることが瞑想の道です。

それに気がついた瞬間には、たとえ一瞬でも心が静かになります。

そしてその静かな気付きの瞬間が増してくると、苦痛の感情が消えている瞬間が増えてきます。

たとえ起こっていること、感じていることが同じでも、静けさが圧倒的になってきます。

そして、全てがただ通り過ぎていき、今この瞬間に全身全霊を注ぐことができるようになります。

全身全霊と言っても、努力感のない、とても楽な集中状態です。。。


「幻覚や悪夢のようなものを観察し自動的に反応して(・・・)と考えている自分がいる」ということに気づいている自分は、とても静かな自分です。

たとえその静けさが、一瞬であってもかすかであっても、です。

その自分を自分の中心に据えるのが瞑想のプロセスの一つです。


そのためには、生理的・神経的な興奮がある程度収まっているほうがやりやすいので、前段階でCDを聴く時間を減らして意識にゆとりがある状態でゆっくり進みます。

そして無理のないペースでインサイトCDを日常的に聴き続けると、聴かないで瞑想したときに比べて、より短い期間で楽になっていけます。 

インサイトCDを聴き続けると、脳に神経的なゆとりが創られていくからです。

100の大きさの容器に99の「幻覚や悪夢のようなもの」を入れると、いっぱいいっぱいで、余裕のある対応など望むべくもありませんが、

時間が経つうちに、99の「幻覚や悪夢のようなもの」が減っていき、同時に、インサイトCDの効果で容器の大きさ(脳の許容量)が100から120や150に増えていくので、ゆとりが生まれ、気づきが得やすくなるのです。


今すぐに、ここに書いてあるように気づけなくても、地道に気楽に怠ることなく力を抜いて続けていけば、必ず開けてきます。
(もし気づけたら、おめでとうございます)
 
もっとヒントが必要な場合、もっと分りやすい導きが必要な場合には、お勧め本があります。

私も、インサイトCDの瞑想と組み合わせて、大いに楽にさせてもらった2冊です。


ポケットの中のダイヤモンド―あなたはすべてをもっている

世界でいちばん古くて大切なスピリチュアルの教え
 

幻覚や悪夢のようなものの苦痛の強度があまりに強いと、どうしても受け流すことができないため、観察者になりきれないものです。

観察しながら、うんざりすることもあるかも知れません。
(もしそうでなければ、おめでとうございます)

幻覚や悪夢そのものに慌てない自分を選択できないのは最初の内は仕方のないことです。

そんな時は、ご自分を許しながら、ゆったりと進んでください。


また有料で遠隔ヒーリングも行っていますので、ご希望でしたらお問い合わせください。

こころとからだのリラックスのお手伝いが出来ると思います。

遠隔ヒーリングのご案内

また、充分ご承知かと思いますが、最初にも書きましたように幻覚や悪夢のような体験は生理的・神経的な開放だと考えて、その内容に関わらない方が得策です。

(もっといえば、それが恍惚感や至福イメージであっても同じことです)

 冷静に観察できるようになったとしても、ただ眺め流していく。

なぜなら、全ては通り過ぎていくことだからです。

これも重要なコツです。


○○様がこのように、瞑想中に起こったことを言葉にしてメールできるということは、観察する自分が僅かであれ確かに存在しているわけですので、大丈夫ですよ。

実は結構、○○さんは自己観察ができているんですよね・・・

冗長な説明になってしまいました。

何度か読み返しながら感じていただければと思います。

焦らずじっくりと進んでいきましょう。

意欲のある○○さんのことですから、地道に続けていかれることと思いますので、応援しています。

○○さんのような方と仲間でいられることは私も幸せです。

私もよりよいお手伝いができるように、謙虚に研鑽を積んでいるところです。

このお返事を書きながら、私も勉強になりましたし、私自身も気づきの至らない点がたくさんある、ということにも気づかせていただきました。

ありがとうございました。

気づきが広がっていくのはとても楽で、嬉しくて、幸せなことですね。

みんなにわけてあげたくなります。


また何でもお気軽にどうぞ。
一緒に顔晴っていきましょう。

渡辺高史

2007年01月05日 01:11