インサイトを聴き始めたのですが、落ち着かずとても長く感じます。



意識成長の最前線ですね。いい頃合にご相談いただきました。

 
 
ユーザーさんからのご質問への回答です。


***


○○様。

わたなべです。
ご質問ありがとうございます。


> フォーカスCDがなかなか良い感じだったので、インサイトCDを買わせていただきましたが、
> 最初のジャーニーを聴いている24分間が大変長く感じられて、聴くのに抵抗を持ってます。

> しかし、聴いている間落ち着かずに何度も目を開けてしまったり、
> 体を動かしてしまったりして、聴いている間に「気持ちよさ」を感じられません。
> むしろ不快な気持ちになったりします。
>
> このような状態でもしっかり脳に作用しているのでしょうか??


はい。しっかり作用しています。
むしろ、○○さんの無意識が表面化してきている証拠です。

神経系や潜在意識の掃除が始まっているので順調ですよ。

成長の最前線にいる感じですね。
チャンスの時ですよ。いい頃合でご質問いただきました。


長めの解説で、ちょっと分かりにくいところもあるかも知れません。
何度か読み返しながら感じてみてくださいね。ご質問もご自由にどうぞ。


私自身、そういう時期がしばらくありました。


  ・大変長く感じられて、聴くのに抵抗を持っている・・・
  ・落ち着かない感じ・・・
  ・目を開けたくなる感じ・・・
  ・身体を動かしたくなる感じ・・・
  ・気持ちよさが感じられず不快な感じ・・・
  ・このような状態でも脳にしっかり作用しているのだろうか、と考えていること・・・


そういう自分を観察しながら、眺め流していくのが基本的な対処法です。
観察して眺め流していく自分には必ず「静けさ」が伴っています。


そこが、今回のポイントです。


色んな気分や考えを観察していると、
自分自身とその気分・考えとの間に、ほんの少しでも「隙間」や「静けさ」を感じられるようになります。


この「隙間」「静けさ」がとても重要なのです。


そしていろんな気分や考えが実は、無意識的な選択・反応に過ぎない、
ということに気づけるようになります。


無意識の内に選択している、ということに気づけないでいたのが、
「ああ、無意識の内に選択していたのか」と気づけるようになっていけるわけです。


そして、不快な感情にしがみついたり、抵抗したりすることなくなって、
ただ眺めて、やり過ごしていけるようになって、もっと自由になっていけます。
 
 
 
ちょっとややこしくなりますので、ゆっくり読んでいただきたいのですが、
何が意識の中で起こっていて、どうしたらいいのかを詳しく見ていきますね。


気持ち(不快感や思考や質問)というのはあまりに自然に湧いてくるので、浸りきってしまいがちです。


浸りきってしまうと、

  私=落ち着かない
  私=気持ちよさが感じられず不快
  私=CDを聴くことに抵抗がある
  私=どうしたらいいか分からない

というようになってしまいます。


しかし、実はそうではなくて、
そういった気分や考えというのは、単に、気分や考えであるだけで、
○○さんの全体ではありません。部分です。


「私○○はこういった気分や考えを持っている」といった具合に、
その感情、気分、考えを「所持」できるわけです。自分の一部分として。


気分を所持しているということは、


○○さん=落ち着かない気分そのもの、ではない
○○さん=気持ちよさが感じられない不快な気分そのもの、ではない
○○さん=CDを聴くことへの抵抗そのもの、ではない、
○○さん=どうしたらいいか分からないという気分や考えそのもの、ではない


ということです。


○○さん=気づいている人、というのが本当です。


とは言えまだ


  私は(私=)CDを聴くことに抵抗がある、落ち着かない


とお感じになるかも知れません。
今現在そういう状況だからこそ、ご連絡いただいたのでしょう。


今の段階では○○さんは、CDを聴きたくない、もしくは聴きながら落ち着かないという状況に対して、
限られた選択肢(落ち着かない、何とかしなければいけないと考える)を自動的に選んでしまうようになっています。


この状況を更に詳細に見てみましょう。


CDを聴きながら落ち着かない、動きたくなる、目を開けたくなる、という状況は
神経的・生理的・潜在意識的な「起こってくる反応」です。
自我からすると、思わぬ反応なので、コントロールができず困惑します。


そういった自動的に起こってくることに対して、


  「このような状態でもしっかり脳に作用しているのでしょうか??」
  「24分間が大変長く感じられて、聴くのに抵抗を持ってます。」


と考えたり、感じることが、
今の○○さんの自我にとって自然な(=無意識的な)選択肢の一つとなっています。


ここでこの状況をよく見てみると分かるのですが、
無意識的に起こってくる反応に対して、無意識的に反応しているのです。


しかし「何かが変で、何か別の道がありそうだ」ということを、
○○さんの叡智が知って気がついているので、今回ご質問いただくことになったのでしょう。
ですから、完全に無意識・無自覚状態というわけではないですね。


無意識的に反応していることにすら気づいていないと、究極の無意識・無自覚状態になります。
これではまるで、目覚めているはずの昼間の生活と睡眠中の夢の差が分らなくなります。


○○さんはそこまではまり込んでいないので、
気づきや意識の目覚めに向かって開かれた「窓」があるのを感じます。


  ・まずは、「自分は特定の状況に対して無意識的に反応している」ということに気づいていくこと。

  ・そして今現在していることのひとつひとつの具体的な考えや感情の「全て」が、
   単なる無意識的な反応である、ということに気づくこと。

  ・そして、自動的に起こってくる反応をあたふたせずに観察すること。

  ・全ての思考や感情は、車窓の景色のように流れ去っていく「うつろいゆくもの」であることに気づくこと。

  ・観察する時に現れる「静けさ」の中に入っていくこと。


その辺りがカギとなります。(最初は難しいですかね・・・)


ここでしたいのは、無自覚さに対する叱責や責め立てではありません。


いろんなことに対して無意識・無自覚に反応しているに過ぎない自分に気づいて、
もっと意識的に生きていけるようになるチャンスが、ここにありますよ、
という一瞥(いちべつ=ちょっとだけ見ること)です。
 
 
 
○○さんのご質問、ご相談を言い換えると、


  「落ち着かないのだけれど、これでいいのだろうか?」
  「今までの経験では、このままではいけないような気がする・・・」
  「何か対策を講じなくてはいけないのではないか・・・?」


という質問・考えの中に留まってしまってその外へ出られないで、
その質問・考えの中にはまり込んでしまって答えが見出せない、ということですよね。


これらの考えや質問が、実は「CDを聴きながら落ち着かない」という状況に対して、
○○さんが無自覚のうちにとる「反応」に過ぎない、ということなんです。


  目覚めた意識状態で静けさに留まる代わりに、
  過去の経験などから「自動的に反応」してしまっているのです。


  「気づき」とは、無自覚に選んでいる枠組みに気づいて、
  自動的だった反応や無自覚だった執着を手放して、
  より大きな枠組みでものごとを見られるようになっていくプロセスのことです。


  気づきとは反応することから離れて、
  「静けさ」の中から真のパワーと一体となって、放出することです。

  (言葉で表現するにはかなりの限界があります)


アインシュタインも
「ある問題を解決するためには、一つ次元の高いところに立たなければいけない」
と言っています。


○○さんの場合、こうしてメールを書かれたということにとても意味があります。


どなたから頂いたものであっても、
「こんなふうに感じているのですが、どうしたらいいのでしょうか?」というご相談メールを読むと、
ご自分の「無自覚にしている反応」に対して、潜在意識レベルで疑問が湧き始めているのだな、
と感じます。


そんな時は、潜在意識で何となく感じることがメインになるので、
言葉ではうまく説明できないこともよくあります。
それはそれでいいのです。


今までのご自分の枠組みの外へ出るほんのちょっと寸前まで来ている、という印象を受けます。
意識の次元がひとつ繰り上がる一歩手前のユラユラ、とでもいった感じです。

それは微妙で不安定な状態なので、私も丁寧にお応えしたいと思っています。


  「どうしたらいいのだろう?」
  「何か変だ」
  「質問・相談してみよう」


と思えるようになるのは、見方によっては、
ハイヤーセルフとか、守護霊といったものが突っついて教えようとしてくれているから・・・
かも知れませんね。


でもハイヤーセルフとか守護霊というのも、自分の一部を表すための表現形式に過ぎないのですが・・・


とにかく・・・

  どうしたらいいか分からない状態・・・


これはとても微妙ですが、有益な状態です。
何かしらの枠組みに「はまり込んでいる」ということに気がついて、
そこから抜け出せるようになる重要なサインです。


(他の方も、是非そんな感覚を大切にして、気軽にメールをしてみてくださいね。)


もし完全に湧いてくる気分に浸りきっていたとしたら、
「こういうことを感じたがどうなんでしょうか」というメールは書けません。
ただ、感情や気分をまき散らして終わりです。
(まあ、それでも何かにきっかけにすることは可能ですが、本人次第ですね)


いずれにせよ、何かしらの不快感を感じる時は、意識の成長の臨界点にまで来ているということですね。
意識の成長とは、かつて無自覚・無意識であったことに気づいて意識的に生きられるようになるということです。


すばらしいことです。
こうしてご質問いただいていることに私も感謝いたします。
素晴らしい瞬間に立ち会わせて頂いて、とても光栄に思っています。


とは言え○○さんは、今の段階ではまだ、
「ただ、ある気分やある考えに浸っているに過ぎない」
ということに完全に気づけていないかも知れません。


しかし、気づきの入り口にいるのも確かです。


自分が無意識・無自覚のうちに選択していたことに気づけるようになると、
その瞬間にとても静かで穏やかな感覚に包まれます。
CDを聴いている最中の落ち着きのなさに対して、落ち着いて対処できるようになれます。


しかし、ここで

  「じゃあ、不快にならないようにしないといけない」とか
  「落ち着かなくてはいけない」

と考えたり、反省したり、決意したり、選ぼうとしても絶対うまくいきません。
自分を変えようとしないことです。


  無理に気持ちよくなろうとしてもなれませんし、
  今ここで起こっていることに抵抗すると苦痛が増すだけです。


考えても答えは出ませんので、ありのまま、そのままを受け入れて流していくわけです。


  その時にただ受け入れて流すだけでなく、
  気持ちや考えを観察している自分が自覚できると、不快感と微妙に距離ができて、
  観察している自分が僅かであれ「静か」な存在として感じられるようになります。

  (これが重要なコツです)


  不快感に対抗して不快感をどうしたらいいのか?と「対処する」のではなくて、
  不快感を感じている自分の一部(神経系や潜在意識)をありのままに観察して受け入れて、
  それはそれとして、「静けさ」に戻ると、それだけで全てが溶けていきます。

  (これも重要なポイントです)


その「静けさ」から事態を見ていくと、あまりにも自然に無理も努力も苦痛もない状態になれます。


ただ、ここまですぐにいこうとしても、上級編でもあるので、
(本当は誰でもすぐにできるはずなんですけどね)
もしこの感覚が分りにくければ、無理をせずに、次のように考えてみてください。


今感じていることは、その時の思考の範囲で理解できないだけで、
その瞬間の脳神経系や潜在意識にとって、
一番必要なことが自然に順番に起こって、解放が進んでいるのだ・・・。


更にもし仮に、インサイトCDを聴いている最中に
こういう考え(=必要なことが起こっている)が受け入れられない気持ちになって、
(受け入れられれば、それで問題ないですが)
その受け入れられない気持ちに対して、落ち着かない気持ちになったとしたら、


その気持ちがその時湧いてくるべき必要な感情で、
その感情を通して、「ああ、自分はいまこう感じているなあ」と観察して、執着せず、
そのままにしておきます。そう観察している自分は僅かであれ、「静けさ」を伴うはずです。


ただ、この「静けさ」は、慣れないと見つけにくいかも知れませんが、
見つけられなければ、その自分をそのまま受け入れる・・・。
(すぐに静けさが見つけられれば、別ですが・・・)


見つけられないことにイライラするようであれば、イライラする自分を観察する・・・
(イライラしなければ別ですが)


そうしていくと、「静けさ」とは何なのか必ず体得できるようになります。


「静けさ」というより、単に「何の気分や考えも浮かばない空白状態」といった方が
分りやすい場合もあるかも知れません。


 (しかし、本当は全ての瞬間にその「静けさ」「空白状態」は背景として存在していて、
  全ての出来事はその「静けさ」「空白状態」の中でのみ起こっては消えていくのですが、
  それは更に上級編なので、詳しくは書きません。
  これらの本も大変参考になります。
  ポケットの中のダイヤモンド―あなたはすべてをもっている
  世界でいちばん古くて大切なスピリチュアルの教え
 
 
 
最初のうちは難しいかも知れませんので、そういう時は「落ち着かないなあ」と感じながら、
呼吸が鼻を通る感じに意識を向けたり、自律訓練法の公式をこころで唱えながら、
身体に意識をもっていくのも非常によいと思います。


(難しく書いてきましたが、結構シンプルなところに落ち着きます)


思考というのはどんどん膨らんで、現実から離れていって、
いくらでも不必要な気分や感覚を引き出すことができてしまいますが、
身体というのは、「今ここ」にしかありませんから、
身体の感覚に常に戻るようにすると、思考や気分のワナから抜けやすくなります。
(これにも人によって、慣れるまでに差がありますが。)


具体的な対処法としては、落ち着かなくなるたびに、

「落ち着かない気持ちを感じた」→「身体の感覚に戻ろう」

と機械的に繰り返すのも続ける価値があります。


不快感に浸りきらずに、観察している自分や身体の感覚に戻ろうとする自分を自覚すると、
気分や思考や感覚に浸りきっていない「静けさ」がそこにあるのを感じられると思います。
(最初の内は微妙で分りにくいかも知れませんが。)


> また、このCDを買った目的は自律訓練法をマスターするためなのですが、
> CDを聴きながら訓練をするべきですか??
> それとも1トラック、2トラックと聴いた後で訓練をするべきですか??


色々試してみるのが一番ですが、
今の状態ですと、1トラックを聴きながら自律訓練法を始めるのがいいかも知れませんね。
そしてそのまま2トラックに自然に入っていく感じでしょうか。


CDを10〜15分くらい聴いて、脳がCDの刺激に馴染んできたころに、
自律訓練法を始めてみる、というのもいいかも知れません。


試してみてどんな感じだったか、また教えてください。


色んな反応が湧いてくるうちは、自然にどんどん感じたり、考えたり、浸ってしまうので、
上手くいかないことも多いかも知れません。


最初のうちは誰でも、多かれ少なかれそんなもんですから、
気にしないのが一番いいですね(笑)。


上手くいっても、いかなくても、徐々に進んでいきましょう。


1ヶ月とか3ヶ月とかは進歩を気にせず、時間が経ってはじめて振り返る、
ということができそうであれば、それもお勧めです。
こういうことは長期的に比べた方が差が分りやすいですからね。


また私でお力になれることがありましたら、ご連絡ください。
 
 
 
蛇足ですが、最近TDE式調整法というエネルギー療法を 身につけました。


遠隔でエネルギーを送ることもできますので、
ご希望であればリラックスできるようにエネルギーをお送りします。
そういうものがお嫌いであれば、遠慮なくお断りくださいね。


また何かありましたらお気軽にどうぞ。

わたなべたかし


***

その後、この方からお返事をいただきました。
ご本人了承の上、転載させていただきます。

他の方の励み、参考になると思います。


> つい昨日までインサイトCDを聴くことが不快でしたので
> 2日に一度ほどしか聴いていませんでしたが、渡邉さんからの返信を見て
>
> 「自分は不快感という気持ちに対して、不快な気持ちになってしまっている」ということを知り、
> それを知った上でインサイトCDを聴いてみました。
>
> いつもどおり「落ち着かない【気持ち】」「不快感【という気持ち】」を感じましたが、
>
> 「自分は今【不快感】という数ある感情の中のうちの一つを感じている」という風に、
> 不快感を感じている自分を落ち着いて観察するということを意識して聴きました。
>
> するといつもなら頻繁に再生時間を確認してしまうのですが、
> 今回は再生時間を確認することなくジャーニーを聴くことが出来ました。
>
> 個人的には「○○という感情は数ある感情の中の一つ」と考えることが良いと思いました。
> 【たくさんの中のたった一つ】ということを自覚し【それが今の自分の全てではない】と言い聞かせることにより、
> 以前ほど苦なく聴くことが出来ました。
>
> それでもまだまだ不快な気持ちになってしまっている自分がいるので、
> 時間をかけてその気持ちを眺め、受け入れつつも流していこうと思います。


***


今回の私の返答は少々小難しくなりましたが、何かしらの助けになったようで何よりです。


さらに瞑想以外の日常生活で活かせる、何か取り組みやすいアドバイスがないかなあ・・・
と思いを巡らせていたら、思い出しました。


瞑想でちゃんと自分の想念を観察して、反応をほったらかしにしないでいられるようになっても、
それが瞑想の時間だけで終わってしまってはもったいないのでね・・・


こだわらない、執着しない生き方を分りやすく面白く解説してくださっている実践家がいます。


小林正観さんです。


最近、大手出版社から数冊出されて、平積みになっている書店も多いですから、
一度手にとって見てください。


きっと参考になると思いますよ。


また何かありましたら、お気軽にご連絡ください。
楽しみにお待ちしております。


わたなべたかし

2007年01月25日 05:52